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東京コミコン2017 イベントレポート

今年で第2回目を迎えた東京コミコン2017。
12月1日(金)~3日(日)にかけ幕張メッセで行われた本イベントは、アメコミファンのみならず、映画ファン、コミックファン、アニメファンなど様々な人が集まり初日より大きな盛り上がりを見せました。

そしてコミコン2017最終日、12月3日、『シン・ゴジラ』で第 40 回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞を受賞した樋口真嗣 総監督による最新作が発表されました!最新作の発表を楽しみに駆け付けた来場者たちにより、ステージ会場は満員に!イベントが始まると、MCの呼びかけにより早速樋口総監督がステージに登壇し、「原作はありません!今回オリジナルで企画させていただきました。TVアニメで放送される、「ひそねとまそたん」というタイトルになります!」と最新作を発表しました!映画監督として活躍してきた樋口監督ということもあり、スクリーンに投影された「ひそねとまそたん」の可愛いティザービジュアルに会場も唖然!!「どうでしょうこの困った空気…」と樋口総監督が呟くと会場から我に返ったように笑い声が起きますが、ここで詳しく話を聞く前に、本企画のキャラクター原案 青木俊直、モンスターコンセプトデザイン コヤマシゲト、アニメーション制作の株式会社ボンズ 南雅彦が登壇しました!

 これまで「エヴァンゲリオン」シリーズなどアニメーション作品に関わることはあっても、実際に総監督というポジションに立つことはなかった樋口総監督。「今回はアニメーションを作りたいということよりも、青木さんの絵に惚れたり、コヤマさんの絵に惚れたりという色々なことが重なった結果、今回の企画は自分の中でアニメーションという表現が良いと思いアニメーションになりました!」と”アニメーション”という表現を用いることとなったきっかけを話します。またここで他のスタッフを紹介。MCが岡田さんの起用のきっかけを聞くと、「とある実写映画の企画を一緒にやっていてその企画が中止になった時に、折角だから何か一緒にやりませんかと誘われて、自分の中で温めているこういう話があって…と岡田さんに話したところ、良いんじゃない!と。そして往復書簡的に話を膨らませていって、こうしてアニメーションというフィールドに引き込まれました。」と、本企画が樋口総監督と岡田さんとの会話の中から具体的に始まっていったことを明かします!

キャラクター原案の青木さんについては、「青木さんは、Facebookで毎日描かれる「あまちゃん」のファンアートを見ていて、この人の描く絵でアニメーションを作ったらすごく面白いんじゃないかと思い声をかけました。」と説明すると、「急にメッセージがFacebookから来て、樋口真嗣がおれに何の用なんだ!と(笑)」と、突然のオファーであったと言います。またモンスターコンセプトデザインのコヤマさんについては、コヤマさんより「僕と樋口さんは”肉部”という肉を食べる活動をしていまして、樋口さんが会長で僕が部員なんですけど、その時に「今度アニメーションやるから手伝ってよ」と言われ…」と説明が。そこでMCが最初から狙っていたんですか?と聞かれると、「勿論ですよ!だから肉部に誘ったんじゃないですか!」と冗談交じりに答える樋口総監督。そして南さんとは”酒部”で知り合ったと言います!「岡田さんとはずっと一緒に仕事をしていたんですけど、岡田さんから「ひとり面白い人がいるから一緒に仕事がしたい」と言われ、3人で会ってみようと。その飲み会に樋口さんがいらっしゃって、「知ってるこの人」となり!(笑)昔から樋口さんとは知り合いだったのですがなかなか一緒にやる機会がなく、それを岡田さんが繋げてくれて。樋口さんにはやっぱりアニメーションの監督とは違う切込みかたがあるので、何か面白いことができるんじゃないかと思いました。」と、本作が樋口総監督を中心とする色々な人の繋がりから生まれた企画・スタッフィングであると言います。

 そして話は本作「ひそねとまそたん」の設定の話に!「『日本沈没』という作品をやっていた時に、一日中成田空港で飛行機が離陸する様子を撮っていたことがあって、そこに色々な国から飛んでくる飛行機を撮り続けている人たちがいたんです。僕たちとは違うものを撮っているのはわかっていたんですけど、その時、本当に違うものが来たらどうなるのだろうと。色々とやってくる飛行機の中のひとつが、日本に昔からいるドラゴンが戦闘機のコスプレをしていたら…というアイデアが浮かんできたのが始まりでしたね。」と明かした樋口総監督。昔から温めていたアイデアが、岡田さんとのやりとりで物語として出来上がってきたことを明かしました。最後に樋口総監督より一言挨拶が!「去年『シン・ゴジラ』という作品まで作ってきて、ある意味映画という表現を自分の中で突き詰めてしまった部分が正直あります。そこで、今の自分は何がやりたいんだろう、何ができるだろうと考えた時に浮かんだのが、岡田さんの顔であったり、青木さんの顔であったり、コヤマさんの顔でした。今自分の一番やりたい物語がどうしたら成立できるかを考えたら、それがアニメーションという表現形態でした。いままで手伝ってきたアニメはどれもストロングスタイルばかりだったので、自分だったらどういうアプローチができるか、を探っているうちに今回は無理を言って絵が出来上がる前に声優さんに声をあててもらう”プレスコ”という方法やらせていただき、声優さんには絵に縛られない自由なお芝居をしていただいていたりと、面倒くさいことをお願いさせていただいております。今までのアニメーションとは質的に少し違ったものになるかもしれない。その違ってくる質感を作ってみたいと思っていますので、皆さまよろしくお願いします。」と話した樋口総監督。『シン・ゴジラ』を経て、果たしてどのような物語が描かれていくのか、どのようなアニメーションが描かれていくのか。映画、そしてアニメ、様々な文脈から集まった日本を代表するクリエーターが集結し挑む、異色の完全オリジナルTVアニメーション「ひそねとまそたん」。2018年、いよいよ始動します!!